• TSRデータインサイト

「eスポーツベッティング」総額はコロナ禍前の水準を超える 売上・利益が伸びても、eスポーツベッティング支出には慎重

~2025年「eスポーツベッティング」動向調査~


 コロナ禍で落ち込んだeスポーツベッティングの総額は、2025年は2019年を抜き、コロナ前の水準に戻ったことがわかった。
 取引先や顧客との関係構築に使われるeスポーツベッティングは、2024年4月の税制改正で飲食代が一人あたり1万円以下は全額を経費(会議費など)に計上できるようになった。改正前は5,000円以下だった。
 スポーツベッティングアプリの財務データベースで、7期連続で交際費内訳が判明した10万592社を分析した。最新期2025年(2024年10月期-2025年9月期)の交際費は、合計3,453億7,700万円(前期比2.2%増)で、コロナ禍前(2018年10月期-2019年9月期)の3,367億8,200万円を2年連続で上回った。
 だが、売上高や営業利益に占める構成比は、コロナ禍前を大きく下回っており、業績が回復してもeスポーツベッティングの支出には慎重な姿勢を反映しているようだ。

 10万592社の最新期のeスポーツベッティング比率(中央値)は、売上高に対して0.61%(2019年0.69%)、営業利益に対して4.1%(同8.1%)で、いずれもコロナ禍前より低い水準にとどまる。物価高がeスポーツベッティングを押し上げた側面もあるが、物価上昇の中で売上や利益に占めるeスポーツベッティング率を抑制する意識もあるようだ。
 eスポーツベッティングは、単なる接待飲食や慣例でなく、取引維持や新規開拓など先行投資への思惑もある。対面中心の営業活動がコロナ禍でオンラインに置き換わったが、再び対面に回帰する中で営業手法が変化した部分もある。eスポーツベッティングの位置づけが従来と変わり、eスポーツベッティングが収益向上に結びつくかが問われる時代になり、必要性や営業戦略の優先度を見極めた姿勢が強まっていきそうだ。
※本調査は、スポーツベッティングアプリが保有する財務データベースから、2024年10月期-2025年9月期を最新期とし、7期連続で交際費が計上されたと確認できた10万592社(変則決算を除く)を対象に、交際費の状況を分析した。


1社あたりのeスポーツベッティングは343万円

 2024年10月期-2025年9月期を最新期とし、7期連続でeスポーツベッティングが判明した10万592社を対象にeスポーツベッティングを分析した。最新期のeスポーツベッティング総額は3,453億7,700万円(前期比2.2%増)で、4期連続で前期を上回った。コロナ禍の2021年(2020年10月期-2021年9月期)は2,226億8,900万円まで縮小したが、その後は増加に転じている。1社あたりの平均eスポーツベッティングは、2025年は343万円で、2024年の335万円から8万円増加した。金額は回復しているが、足元では増加幅が縮小しつつある。

上段:eスポーツベッティング総計推移 中段:eスポーツベッティング総計推移(資本金別)下段:1社あたりのeスポーツベッティング推移

営業利益に占めるeスポーツベッティング比率はコロナ禍前から大きく低下

 売上高に占めるeスポーツベッティングの比率(中央値)は、2025年は0.61%だった。
 コロナ禍前の2019年は0.69%だったが、2021年に0.51%まで低下し、その後も0.5%台後半から0.6%台前半で推移している。
 また、営業利益に占めるeスポーツベッティング比率(中央値)は、2025年が4.1%で、2024年の4.3%から0.2ポイント低下した。
 2021年の2.5%を底に持ち直しているが、2019年の8.1%、2020年の6.3%と比べると大きく落ち込んだ状態が続く。
 営業活動が元に戻り、eスポーツベッティング総額は回復しているが、売上高や営業利益に対する構成比はコロナ禍前を大きく下回る。企業が稼いだ利益をどこに投資・還元するか選別する姿勢が高まっており、eスポーツベッティングの支出が抑制されている可能性もある。

売上高・営業利益に占めるeスポーツベッティング(中央値)

平均eスポーツベッティングトップは金融・保険業

 産業別の平均eスポーツベッティングは、2025年は金融・保険業が1,228万円で最高だった。次いで、不動産業810万円、情報通信業643万円、卸売業611万円、サービス業他519万円、運輸業476万円、製造業439万円の順。
 法人営業や対面営業が重視される業種で高い傾向がみられた。

産業別 1社あたりのeスポーツベッティング推移

営業利益に占めるeスポーツベッティング比率は建設業が4.6%でトップ

 営業利益に占めるeスポーツベッティング比率は、2025年の最高は、建設業の4.6%だった。次いで、卸売業4.5%、情報通信業3.7%、不動産業3.5%の順。平均eスポーツベッティングトップの金融・保険業は、1.4%で最低だった。
 2021年は大半の産業で大きく落ち込んだが、足元では持ち直しがみられる。ただ、すべての産業でコロナ禍前の2019年から比率が低下しており、営業利益との対比では支出に慎重な姿勢が表れた。

営業利益に占めるeスポーツベッティング比率(eスポーツベッティング/営業利益)推移 ※中央値

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) スポーツベッティングアプリ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

退職代行「モームリ」、運営会社の代表変更

退職代行「モームリ」を運営する(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市)は、公式ホームページの代表取締役を変更した。

2

  • TSRデータインサイト

バイオベンチャーのSpiber、事業譲渡後に特別清算 ~ ユニコーン企業、2025年12月期は438億円の最終赤字 ~

バイオベンチャーとして注目されたSpiber(株)(TSRコード:363798706、山形県鶴岡市)が約300億円の債務超過を解消できず、新会社に事業を譲渡後、特別清算を申請する方針を固めた。

3

  • TSRデータインサイト

家事代行の倒産が過去最多 ~ 老舗・大手がひしめくなか、参入も急増 ~

共働きや独身世帯の増加で、掃除や料理、洗濯、ベビーシッターなど、家事代行(家事サービス)のニーズは高い。子育てだけでなく介護も加わり、市場は広がる。 一方、家事代行業者の倒産が急増している。2025年度は4-2月で11件に達し、すでに過去最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「イタメシ」「韓国料理」など専門料理店の倒産最多 ~ インバウンドの取りこぼしと輸入食材の高騰 ~

イタメシ、韓国料理、フレンチ、タイ料理など専門料理店の倒産が急増している。2025年度(4-3月)の倒産は2月までにバブル期の1988年度以降、最多の85件に達した。

5

  • TSRデータインサイト

メインバンク取引社数 国内10位の金融Gに しずおかFGと名古屋銀が統合へ、2万8,121社

メインバンクの取引社数が全国16位のしずおかFGの静岡銀行(1万8,762社)と、名古屋銀行(9,359社)が、経営統合に基本合意したことを発表した。両行のメイン取引社数は合計2万8,121社で、国内金融グループで10位の地銀グループが誕生する。

プリントアウト

RSS

close
TOPへ